香港食いだおれ!(その4)


尖沙咀(Tsim Sha Tsuiチムサアチョイ)は九龍半島の中心で、最も香港らしい繁華街とも言われている。
地下鉄を降りて、ペニンシュラ・アーケードのあるホテル、ペニンシュラ(半島酒店The Peninsula)に向う。
 
ネイザンロード(Nathan Rd.)を南下して突き当たりの右手にある豪華なホテル。一泊5万はするらしい。とても泊まれない。
ここに金持ちが集まることを知っているのか、中東系の外人が「ロレックス!」って言いながら腕を見せてくる。日本人はカモらしい。ペニンシュラ・アーケードに入るまでに3人に声を掛けられた。

80以上の高級店が入るショッピングアーケードは、女性にとっては目移りするらしい。
こっちはあまり興味がないので、別れて自由行動。
散歩がてら、3つのフロア−を歩くが、入った店は「ペニンシュラ・ブティック(Peninsula Boutique)」。
ホテル直営の店で、紅茶やチョコレートなどが売っている。
この店、中環の「ランドマーク」にも入っていたが、やはり高い。
紅茶がHK$240もする。4,000円以上する紅茶なんて飲めないよ!
チョコだってHK$100はするもんね。
でも、見てるとそれらを買っている日本人は多いね。

ロビーには、喫茶コーナーって言うにはおこがましいほど高級感漂うスペースがある。これがアフタヌーンティーで有名な「The Lobby」である。
疲れたのでお茶でもするか?と言う事になり、中に入っていく。するとウェイターが喫煙か禁煙か聞いてくるので、禁煙と答える。
禁煙席が満席らしく、通路の方に連れて行かれて、そこで待つように指示される。
すぐに2組ぐらい後ろについて待たせられていた。
2分もするとその列は20人ぐらいになり、こっちはビックリ!!
何でだろう?と思って時計を見ると、丁度14時を指したところ。
手元のガイドブックを見るとアフタヌーンティーは14時からになっている。
いつのまにか、香港・ペニンシュラホテル名物の「Afternoon tea」待ちの先頭になっていた。
5分ぐらい待つと、席に案内され、窓際のいい場所に連れて行かれた。
メニューを渡され、一応チェック。
あまり、お腹が空いているわけでもないが、ここで“Afternoon tea”を頼まないのもおかしいし、食べてみたい気がしたので、迷わず注文。

よく見る三段重ねのケースに乗って出てきたセットは、1階が“スコーン”2階が“サンドイッチ”3階が“ケーキ”になっていた。
 
ペニンシュラのカバーが付いた銀製の“ティーポットセット”は、高級感漂う。1928年以来使用されつづけているらしい。
  
2階で生演奏されているミニオーケストラの演奏をが優雅なひとときを演出している。
レーズンスコーン”は「マンダリン」より少し小さめ。シットリした食感。
 
マンダリン」の方がちょっと美味しいかな?
サンドイッチ”は三種類あって、軽食にピッタリの大きさで、食べやすい。お腹が空いてるわけでないのにスイスイ食べてしまう。

その中でも“ミートパイ”は美味しかった。

合間に“ティーカップ”を傾けながら、お茶するのはなんて贅沢なんだろう!

ケーキ”も

プチケーキ”が3種類と“フルーツケーキ
 
チョコスティック”と豪華。どれを突っついていいか迷ってしまう。

結局1時間以上も休憩して、金持ち気分に浸った。数時間前のお粥屋との違いが激しすぎる。

トイレも豪華で、チップを支払わなきゃいけないらしい。
たまたま、居なかったから良いけど、カミサンは水道を出してもらって、手拭を出してもらって、そのまま出てきたらしい。チップの事を知らなかったのもあるが、小銭を持っていなかったのもある。
 
階段や廊下のキレイな絨毯には塵一つ落ちていない。
 
凄いね。

ペニンシュラを出て、世界最大級の免税店「DFSギャラリア香港」に行く。
ここは、もう日本語のカタカナ表記で店舗看板が出ているくらい、日本人観光客の買い物場。
当然ここも自由行動。
決まった範囲内に居る場合は、何度も会うことが出来る。しかし、日本での携帯生活に慣れると、まったく知らない場所で広域に離れると不安かもしれない。
便利って怖いね。
さすがに買い物時間も長く、足が疲れてきた。
地下鉄の駅に向う途中の通りで、香港通の友人・森に紹介された“西瓜ジュース”を買って飲んでみる。

さすが通が言うだけあって、これが美味い。スイカの甘味が程よくて、いいね〜

一旦、ホテルに戻り、荷物を置くことにした。
その前に、ホテルのケーキショップに寄ると、17時で閉店しており、明日の朝買う事にする。
カミサンは疲れて一眠り。こっちは、昨日のような夕食でのミスをなくすため、本を読んで研究。
はらが減っているわけではないが、せっかく来たのに広東料理を食べないで買えるのもいやだし、四川料理も食べたい。当然飲茶もしたい。
本当に悩む。
明日には帰らなくてはいけないのだから、店選びも慎重になる。

小一時間ほど休憩して「ランドマーク」に向う。
今回の目的でもある財布を買いに。
明日じゃ焦って選べない可能性もあったので、一目散に「Mandarina Duck」へ。
今使っている財布は2年半前にパリで買ったマンダリナダックの財布。
買い替えもそうしようと思っていたのだが、日本では高すぎる。
2万近くしてしまう。
商品をいくつか見て、開け閉めしたり、使い勝手を考えた結果“MD20シリーズ”に決めた。
 
もう、この買い物で思い残すことはない。

結構な時間だが、食べてばかりでお腹が空いていない。
香港の100万ドルの夜景を見に行こうと思い、ビクトリアパークに行こうと思ったが、山麓までいくのが面倒で、自分勝手に世界一長いエスカレーター「ヒルサイド・エスカレーター」で街の上の方へ登って行く。
このエスカレーター、本当に長い。いつまでも続いていく。その上、下りがないので、帰りの心配もしてしまう。
「本当に上で見れるの?」
と問い掛けられると、不安ながらも
「大丈夫。」って言ってしまう。
ようやく、エスカレーターの頂上に到着するも、マンションが建ち並び、下の景色が見えない。
それより上に行く階段があり、そこを昇る。
階段は街灯もなく暗く、怖い感じもする。その上急勾配。
待たせて、先に行って見ると、ドンドン上に階段があり、これではカミサンは無理と判断。
平謝りして、帰ることに。
長〜い階段を降りて行く、当然足の疲労もピーク。
これは、もう謝るしかない。

夕食は「ランドマーク」に入っている四川料理の店に行こうと思ったが、店がなくなっており、その上、さっきの状況。
カミサンを立てる意味もあり、カミサンの会社の人のお勧めレストランの広東料理の店「_記酒家(Yung Kee Restaurantヨンキーレストラン)」(中環威靈頓街32-40號 tel2522-1624)に入る。
店に入ると、待ち時間20分といわれ、待つことに。
かなりの混雑で、たくさんの人が待っている。本当に20分で順番が来るのか不安である。
エレベーターで2階に案内されて待つこと15分。未だに前には6組ぐらい待っている。そこに、女性が近づいて来て、
「日本の方ですか?」
「大変申し訳ございません、もう少しで案内できると思いますので・・・」
と言って立ち去ったと思ったら。
「これをお読みになってお待ちください。先週号で申し訳ないんですが。」
と言って「香港ポスト」って言う日本人向けに発行されている新聞を持ってきてくれた。
これで、途中で帰るわけには行かなくなった。
しばらくすると団体客が帰っていく、それも日本人。
出てくる出てくる、40人ぐらいの社員旅行らしい面々。
そういえば店に入る前に、店の山側の道路に大型バスが止まっており、そこに日本の会社の名前が書いてあった。その面々らしい。
混んでいた理由が納得できた。
すぐに店内に入ることが出来、日本語のメニューを見て注文。
ビールと共に出てきたのが付け出しらしき“皮蛋(ピータン)”と“生姜”。

好き嫌いがない方の俺であるが、この“ピータン”は苦手な食材の一つ。当然カミサンは箸もつけない。
恐る恐る“ピータン”を持ち、口に運ぶ。あの嫌な臭みとゼリーみたいな食感を想像しつつ口に入れる、と!
「美味い!」
ええっ!!俺が“ピータン”食っている!
後から知ったのだが、ここの“ピータン”有名らしく、癖がない。
ハッキリ言って“ゆで卵”。それも美味しいゆで卵。
生姜”は日本のすし屋のガリと一緒だった。
ビールが美味しくすすむ。
次に出てきたのが、この店の名物料理“金牌焼鵝(焼ガチョウ)”。
肉厚のガチョウのローストに特製のソースが掛かっている。
 
このソースもガチョウにあうように美味く研究されていて柑橘系の味がする。

一枚、二枚と順調に行くが、あまり食べられるものではない。美味しいんだけど、一羽は多い。5枚ぐらいあれば十分だ。
次に“五目炒飯”を頂く。これはちゃんと米がパラパラに炒められていて、美味しい。炒飯好きにはタマラナイ!
 
そして、カミサンが一番お気に入りだったのが、“海老巻き”。
 
海老のすり身をクレープ状の皮で包んであり、それを特製のタレにつけて食べる。
あっさりしつつ。たっぷりの海老が使われているのがよーくわかる。

雑誌に書いてあったのだがこの「_記」昔は屋台で香港「六記」の一つだったらしい。1950年代から一つ、また一つと閉店していき、現在は「九記」とここの2店だけが残っているらしい。
しかし、店舗の違いは凄すぎる。
最後に“イカのXO醤炒め”が出てくる。
 
葱・赤ピーマン・緑ピーマン・イカ・唐辛子・生姜”の材料をあっさりと炒めている。おかわりしたビールがやっぱりすすむ。
最後にチェックすると、HK$482。昨日の北京料理の半額。味は上。
安かった〜気がするだけかな?

帰りに昨日と同じ「セブンイレブン」でビールを購入。
風呂上りのビン入り“青島_酒(チンタオビール)”を飲んでもう寝なくては・・・

2001/2/17


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