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「ターポン」というゲームフィッシュの存在を知ったのは、1996年に北海道に移り住んで間もないころだった。 フライフィッシングを始めて約半年・・・北海道の鱒に夢中になりつつあった私にとって、憧れと言うより大げさすぎて見当もつかないとでも表現しようか・・・いずれ自分がソルトウォーターFFにのめり込んでいくなんて想像もできなかった頃のことだ。 2000年、北海道から、海がすぐそこにある生まれ故郷に戻り、FFを巡る環境が一変した。気がつくと淡水から海へと自然に足を運ぶようになった。そして気がつくと、海の魚のファイトやそのサイズの大きさに魅了されはじめている自分に気がついた。それまでは、8番以上のロッドは、カラフトマスやチャムサーモン以外では出番がなかったが、海を攻めるようになって、いつの間にか8番-14番ロッドが主流となっていた。 そんな時、友人に以前から話は持ちかけられてはいたが「そのうち何時か・・・」と思っていたターゲットであるターポンが、知人の紹介でガイドが居るという話から一挙に現実味をおびてきた。そして遠征計画が持ち上がり、6月のフロリダキーズを目指す運びとなった。この魚は、FFで狙える魚では究極のゲームのひとつ・・・胸の鼓動が高鳴っていくのを感じた。 現場でのフィッシングでは、すべてにおいて"完全"が求められた気がする。キャスティングの正確さ、予測、判断力・・・アングラーが100%のことができたとしても、"シルバーキング"は現実のものとならなかった。だが、絶えず緊張感を持ちつづけ、ただその瞬間がくるまで辛抱した。私の場合、6割ぐらいの確率でしかベストなアプローチができなかったと思う。この魚に自分の未熟さを心底思い知らされたのである。 白銀の魚体が、フロリダの抜けるような青い空に映え、宙高く舞う。自分の背丈は楽にある巨大な影がフライを追う・・・究極のFF的非現実体験。長い歳月をかけて追い続けるだけの価値は十分にあることを確信させてくれるターゲットであった。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ Takamitsu MIYAKAWA / SWFF.jp > > > > > > > > 「スライド・ショー」は、こちら を (写真だけを連続してご覧いただけます) < < < < < < < < < |
T.M. |
SCENE-1 ターポンフィッシングの聖地アイラモラーダ。 フロリダキーズの島々を繋ぐブリッジを渡り、左は 大西洋、右はメキシコ湾と二つの異なる海域を望める。 日本から丸一日の時間を要し、憧れの地を踏んだが、 これから始まるタフなフィッシングなど考えることなく、 ただただ憧れの地に来た喜びをかみ締めていた。 | |
T.M. |
SCENE-2 潮が動き、橋を境に潮流があらわれる。 水深は1.5m前後。ボトムは砂で 容易にターポンを見つけることができる。 反面、我々の存在が魚にもバレやすくなる。 ターポンのスクールが次々と目の前に出現する。 | |
T.A. |
SCENE-3 大西洋側では、基本はサイトフィッシング。 ターポンの通り道(チャネルなど)にボートを止め 向かってくる魚に相対し、ガイドがポーリングで アングラーがベストなキャスティングポジジョンを 取れるようボートの向きを調整する。 | |
T.A. |
SCENE-4 キャスティングの精度が問われる。12番ロッドで 15-20ydの距離を正確に、かつ魚の遊泳スピード、 水深などを頭にインプットし、フライがターポンの 目の前を泳ぐよう即座にキャストしなければならない。 ラインコントロールを失いミスキャストをすれば、 あっけなくターポンをスクープする。 | |
T.M. |
SCENE-5 ポーリングしてターポンの回遊を待つ。 なるべく早くターポンを見つけられれば それだけチャンスが大きくなる。少し高い 位置に立つガイドの集中度は相当なものだ。 Supported by TROUT & KING |