河西回廊について




河西回廊とは蘭州から敦煌へ至るシルクロードの東端を言います。細かく言えば、蘭州を出て、黄河を渡り、祁連山脈(きれん)の烏鞘嶺峠(うしゅうれい)を越えた辺りから敦煌までの路を指します。この路は、南に祁連山脈、北は内蒙古の砂漠に挟まれ、東西1000kmあまりの長さで敦煌、新彊へと続きます。黄河の西の細長く延びた路ということで河西回廊(河西走廊)と呼ばれます。省からみると、南の青海省、北の内蒙古自治区に囲まれた甘粛省の東西に細長く延びた部分となります。因みに、甘粛省の面積は45.4ku、日本の面積の1.3倍ですから、その広さが察せられます。

この河西回廊は、古くは秦、漢の時代に万里の長城の西端が造られ、西方の軍事拠点として、また、五胡十六国の時代には仏教伝来の路として、さらに、盛唐時代にはシルクロードの商業路として栄えました。回廊に沿って、蘭州、武威、張掖、酒泉、嘉峪関、敦煌とオアシス都市が続きます。