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ROD / REEL / LINE / FLY
ロッドは、ハンドメイドの8'6"#10/11、リールはVANSTAAL C-Vex #11/12、バッキングにPE8号を300m、フライラインは3Mマスタリーのブルーウォーター(タイプ3)を使用した。
今回使用したロッドは、某アメリカNo.1ブランクメーカー製の最高級ブランクで自作したもの。ブランクは超高弾性でありながら、意外なほどしなやかであり、これがこのメーカーのウリである。
国内ブランクメーカーに言わせると「オリジナルで開発したカーボンを採用していると思われるが、このしなやかさだけはどうやっても真似できない」そうである。今ではブランクでは売ってくれなくなってしまい、使用したブランクはもう廃番になってしまったが、最新型の肉薄ブランクよりもはるかに質は良いものだ。
ビッグフィッシュとのファイトを想定して、ガイドは滑りと耐久性を重視し全てチタンSiC(ストリッピングガイドのみチタンコーティングのステンレスフレーム)としている。通常のフライロッドは、どんなに高番手であっても、ティップ付近のガイドはほとんどのモデルでスネークガイドである。
一部でスネークガイドの使用を「フライの伝統」とみなし、ありがたがる傾向があるようだが、速く強いビッグフィッシュとのファイトを考えると、SiCガイドが有利であることには明白である。
アメリカ製のソルトフライ用ブランクは、ある程度重量のあるガイド(ダブルフットのスネークガイド)を乗せることを想定して製作されているようであり、SiCガイド搭載によりロッドの調子が崩れたりすることはない。
何よりも安心してファイトできるのが最大の利点。ガイドのSidも「アメリカ製のフライロッドのガイドはチープだ。釣りが終わったら真水でゴシゴシ洗わなければならない」と言っていた。
リールは、スピニングリールでは有名なVANSTAAL社初のフライリール「C-Vex #11/12」。このリールを本格的に使用するのは今回が初めてである。フレーム、スプール、ドラグユニットがモジュールとなっており、工具なしで分解が行える。
ドラグユニットは完全防水で、スピニングリール由来の多板ワッシャー式のようである。従来のコルクディスク方式よりも滑り出しは滑らかで、水に濡れた時のドラグ力の変化もない。
ゴールデンに延々と走られた時にかなり強いドラグテンションを掛けていたのだが、断続的なグングンという引きにも、ロッドのお辞儀は少なかったようだ。
ドラグは、例えば日本製最高級スピニングリールの「絹のような」感覚には到底及ばないが、実釣においては全く問題と感じられる点は発見できず、安心して使用することができた。
入手については、VANSTAAL社はZebco社に買収され、残念ながら現在全ての製品の製造販売を休止しており、再開は今年の夏になるようだ。
フライラインは、3Mマスタリーのブルーウォーター(タイプ3)を使用した。もともとこのラインはロングテイルツナ用にと持っていったもの。フラット用には、ターポンテーパーのタイプ1を使用する予定であった。
だが、フラットにつきものの風、重量のあるフライ、私の稚拙なキャスティングテクニックなどから判断したのか、ガイドのSidはこれを使えとアドバイスをくれた。
ゴールデントレバリーは、フラットでは非常にトリッキーな動きでどこから現れるか予想がつかないし、風上でボートから遠めながらキャスティングレンジではあるといった場合に、タイプ3の遠投性能は有利となる。本来ならシューティングヘッドを用意すればベストだったかもしれない。
ボーンフィッシュの場合、フラットに現れる魚の方向にはある程度パターンがあり、風上に回りこめることが多かったので、フローティングラインで十分釣りになったが、ゴールデンでは通用しなかった。やはり、あらゆる状況に対応するためには、いろいろな種類のフライラインが必要になるという意味ではいい勉強になった。
フライは、ローカルパターンである「ソルトウォーター・スタンディング・ヤビー」が功を奏した。オーストラリアの某Webサイトで偶然見つけたパターンであるが、なんとなく釣れそうだなと思ったのと、クラウザーミノーだけでは面白くないというのがピックアウトしたきっかけである。
フライのセレクトはアングラーの思い入れが一番強く表れるところでもあるので、定番、必須以外のものを決定する場合は、自分の「直感」とか「なんとなく」は大切にしたほうがよいと思う。
マテリアルは、ヤビーの頭の部分が白のバックテイルとマラブー、アイがナイロンモノフィラの先端をライターで焦がしたもの、レッグは白のハックル、ボディは白のシェニール。
スタンディング・ヤビーということで、シャンクの中ほどにハードナイロンの「三脚」が付いており、フックアイ付近に取り付けたダンベルアイの重さの効果と合わせて、頭を上にななめに立つ状態で着底する。
結局、すんなりと1尾目が釣れてそのまま使い続け、これだけでゴールデンを4本釣ることができたわけで、今回の私の遠征に限っては紛れもなく当たりフライといえる。
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