Shiokawa Collection
塩川コレクション

2021.9.25


彩磁眠猫置物


年代:1902-1928

作家:錦光山宗兵衛

高さ:7.0cm 横幅:14.0cm 奥行:11.0cm

錦光山製の眠り猫です。錦光山と刻印があります。
輸出用シールは貼ってなく、京都から出てきたものなので、
おそらく輸出はされていなく、もしかしたら試作品かもしれません。

大きさはもうひとつの茶色のものとほぼ同じです。
耳の中と鼻が赤紫で着色されているところが、ユニークです。

ロイヤルコペンハーゲンの猫の置物そっくりです。
ロイヤルコペンハーゲンの眠り猫は、1902年、エリックニールセンによって
作られました。おそらく、7代目錦光山宗兵衛が1900年のパリ万博の後に、
ヨーロッパへ何度も視察に行っていますので、そのときに見つけたのかもしれません。

背中のでっぱりなども、まったく同じなので、
おそらく、購入したロイヤルコペンハーゲンの眠り猫から型を採ったのかもしれません。
また、京焼き特有の陶器ではなく、完全に磁器でできています。




7代錦光山宗兵衛略歴

1868〜1928

 錦光山家は江戸時代中期以来の京都粟田口を代表する陶家で、
慶長年間に京都ではじめての海外貿易に着手しました。
6代目は、薩摩焼の作風を取り入れた京薩摩を考案したのが有名です。
 7代目は、父6代目に陶技を学び京薩摩を制作していましたが、
京焼の意匠改良の必要性を感じ、国内外へ視察に赴き、
明治36年第5回国内勧業博覧会で、
アール・ヌーヴォー風の花瓶を出品しています。
明治22年 パリ万国博覧会で銀牌受賞。
明治33年 パリ万国博覧会で金牌受賞。
明治38年 リュージュ万国博覧会でグランプリ受賞。
大正5年には緑綬褒章を受賞。



menu