Shiokawa Collection
塩川コレクション

2020.4.26
追加説明:2020.7.15


松下老子仕女圖觀音瓶


年代:1923-1936 or 1898-1901


作家:東京高等工業学校(東京工業学校)

高さ:34.5cm 口径:11.0cm 最大径:17.0cm 高台:9.0cm

近代工業の父、ゴットフリート・ワグネルが、日本における近代窯業の技術者をたくさん育てた
東京工業大学の前身、東京高等工業学校(東京工業学校)で作られた松下老子仕女圖觀音瓶です。とても、珍しいものだと思います。

「贈武田君 亘理蚕業学校 東京工業学校石炭焼製」
と書いてあることがわかりました。

現在の宮城県亘理高等学校は、1898年4月29日に郡立亘理簡易養蚕学校として開校し、
1923年4月1日から1936年3月31年の間、宮城県亘理蚕業学校という名称だったようです。
また、亘理町には武田姓が多いようです。

ということは、東工大が東京工業学校(1890−1901)の名称時期と時代がずれています。
どちらが正しいのか判別しがたいですが、
石炭焼が東京工業学校時代に開発された窯業技法だと考えれば、
亘理蚕業学校(1923-1936)が、東京高等工業学校に発注し、石炭焼で花瓶を作らせて、
武田という人(卒業生?)に贈ったものだと考えるのが妥当と思われます。

J.K.さんから、メールで教えていただきました。ありがとうございます。



東京工業学校陶歴

1890-1901

明治14年5月 東京職工学校創設 窯業は化学工芸部の専修科目
明治17年10月 ワグネルが教師となり、窯業学を開講
明治19年 陶器玻璃工科が設置され、ワグネルが主任となる
明治23年3月 東京工業学校と名称変更
明治23年7月 化学工芸部陶器玻璃工科となる
明治25年 ワグネル没
明治27年10月 化学工業部窯業科に改称
明治34年5月 校名を東京高等工業学校に改称
昭和4年4月 東京工業大学に組織改変



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