Shiokawa Collection
塩川コレクション

2021.1.11


鷺と竹型花瓶


年代:明治前期(1875-ca.1885)

高さ:19cm 最大横幅:9cm 最大奥行:9cm

二代井上良斎の鷺と竹型花瓶です。
二代井上良斎は同じような鷺と竹型花瓶を何種類か三代川本治兵衛の銘を使っていた時代から制作していたようです。
素地は白に近い灰色のストンウエアと思われます。
足をみると釉下彩のようにも見えますが、
どちらかといえば、青手九谷のように彩釉で彩色が行われているように見受けられます。
竹の部分に飴釉をかけて、鷺を支えている小さな竹部分の上部に後から緑釉をかけているように思われます。

時代的にもちょうど重なっていますので、
Bing & Grondahlのピエトロクローンは、
この良斎の鷺と竹型花瓶シリーズのどれかをどこかで見て、
白鳥のサービス鷺のサービスに変更をした可能性が考えられます。




二代井上良斎略歴

1854−1905

瀬戸の窯屋、川本治兵衛の長男として1854年に生まれる。
明治8年(1875)に東京浅草で開窯した初代井上良斎の養子となり、井上の姓を名乗る。
同10年、第1回内国勧業博覧会で受賞。
同33年(1900)、パリ万国博覧会の日本代表委員の一人としてフランスに渡る。
終了後、セーブル陶磁器製造所で学び帰国するが、体調を崩し、
留学成果を発揮する間もなく、1905年他界する。




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